トップセールスマンが行っているシンプルな極意3点とテクニック5選
まだ会社員だった2年ほど前に若手や新卒向けにアクションベースで書き下していた考え方と初心者でもできる行動集です。
<前提条件>
※あくまで「見込み客」を「既存客」にするための手法であり、「見込み客」を集めるため
のマーケティング活動とは別で考えてください。
・アタックリスト
↓インバウンドマーケティング(広告)、アウトバウンド(飛込み、テレアポ、紹介)
・見込み客
↓★今回紹介するセールススキル
・既存客
●シンプルな極意 3 点
(1)相手への感謝と「絶対に貢献する」という強い想い
(2)相手の購買感情を高める技量と購買意欲を下手に削がない配慮
(3)アクションチェックプランを作る
●(1)相手への感謝と「絶対に貢献する」という強い想い
「ミラーニューロン」という細胞をご存知ですか?
要は「他人の考えてることがわかったり、他人と同じ気持ちにさせたりする脳内細胞」のこ
とだと思って下さい。
つまり、こちらが好意を抱いていたら、相手は無意識にそれを受け取るということです。
ですので、商談相手とのご縁に常に「感謝」し、その商談を、そして自分とのご縁を相手に
とって「価値のある」ものにするという気持ちを持って臨むだけで相手はそれを無意識に受
け取り、ラポール(信頼関係)が上がります。
営業において心理誘導テクニックとかも大事かもしれませんが、もっとも重要なのは「営業
マンの想い」の一言に尽きます。
ここが高い人はスキルが不足していても結果はいずれついてきます。逆にスキルは高くて
もこのマインドセットが低いといくらやっても結果は出ません。
●(2)相手の購買感情を高める技量と購買意欲を下手に削がない配慮
主なセールスフローは下記 4 つに分類されます。
「A:ラポール」→「B:ヒアリング」→「C:プレゼン」→「D:クロージング」
それぞれのフローで紹介したいテクニックは下記 5点です。
(1)アポ前お礼手紙
(2)自己紹介シート
(3)テレアポプリフレームヒアリング
(4)ダブルバインド提案
(5)asif フレーム
では、それぞれのセールスフローに沿って説明していきます。
======A:ラポール======
上記 4 つのフローで一番重要なのはどれだと思いますか?
一木の回答は「ラポール」です。
なぜか?
昔の高度経済成長息から 2000 年ごろまでの大量生産、大量消費の時代は、人々がそもそも
「モノを欲する」状態でした。
また、まだインターネットもなかったので顧客からすると営業マンが持ってきてくれる情
報がすべてでした。
そのため、いかにその商品がすごいかという「プレゼン」が重要であり、期間限定や先着順
など、今買うべき理由をつくる「クロージング」が営業マンにおいて重要な要素を占めてい
ました。
しかし、モノあまりが続き顧客が「モノを自主的に欲しない」状態に突入し、インターネッ
トで価格のほかに安い商品やクチコミを顧客自身で探せるようになってしまった今の時代
で、いかに商品をよく見せるかの「プレゼン」も「クロージング」も過去に比べてインパク
トが弱くなってしまいました。
そして、その状態が続いてきた現代で顧客に起きている現象は「顧客自身が何を欲しいかが
わかっていない」という状態です。
なので、営業において重要なスキルはいかに商品をよく見せ、お買い得に見せるかの「プレ
ゼン」でも「クロージング」でもなく、「そもそも顧客が何を欲しいと感じているのか」を
一緒に探る「ヒアリング」が重要な時代になっています。
では、「ヒアリング」が最重要なのか?というとそれよりも重要なものがあります。
それが「ラポール」です。
みなさんは「赤の他人」に「プライベートな相談」をしますか?
おそらく答えは NO ですよね。気心の知れた友人や、信頼している人に相談をすると思い
ます。
顧客もまったく一緒です。
つまり「ヒアリング」をするためにはまず何よりも「ラポール(信頼関係)」をとりにいか
ないといけないのです。
さらにいうと、ライバル企業の営業よりも信頼され、「常に真っ先に相談をしてもらえる」
ほどのラポールをとっておかないといけないということです。
ですので、「顧客が困ったときに真っ先になんでも相談したくなる存在」になり、ヒアリン
グをできる関係を築く事が最優先です。
では、何をしてラポールをとりにいけばいいか?
前段で「想い」を語りましたが、ここからは、誰でもできる具体的なテクニックをいくつか
紹介します。
▼アポ前お礼手紙(メールも可)
→みなさん、商談後に「お礼メール」を送ってる人はいますかね?大半の企業で「お礼メー
ル」を送るのが慣例となってますが、僕から言わせればほとんど意味ないです。(もちろん
体裁的に送ってるとか次元の低い話は置いておいて)
商談を成功させるためには「ヒアリング」が重要で、その「ヒアリング」を行うためにはラ
ポールが必要である、という考えを基に考えると、お礼メールは完全にタイミングが遅いで
す。
だって商談が「終わった後」にラポールとりにいってどうするんですか?ほとんど意味がな
いですよそんなの。
そこでご紹介する簡単なテクニックは「アポ前」に「お礼手紙」を書くことです。
※時間的・物理的制約がある場合は「メール」で代替でもいいです。
想像してみてください。
初めて会う人との商談。
出会いがしら開口一番にこう言われます
「手紙ありがとう!まさかアポ前に手紙を送ってくる営業がいるなんてびっくりしたよ!
君デキル営業だな!」
そうなんです。出会った瞬間にラポールがとれてるんです。
どうでしょうか?
【出会った瞬間にラポールがとれてる】んです。
その後の商談がよりスムーズにいくと思いませんか?
僕は新人の頃、とにかくアポがとれたら担当者の方に必ずアポ前お礼手紙を書いてました
が、呼んでくれた人からは必ずといっていいほど手紙の話題を出してくださり、その後の商
談がスムーズになってました。
※特に、「いつもこんなことをやってるの?」と十中八九聞かれるので、そのときに自分の
営業に対する想いである「営業観」を語ることで、ラポールが一気に上がります。
ですので、【会ってからラポールを築く】のではなく、できる限り【会う前にラポールをと
りにいく】ことを心がけてみてください。
※手紙に自分の顔写真や簡単なプロフィールなどを載せておくと「君!こんな趣味持って
るんだね!」など、商談スタート時から担当者が食いついてくれることが増えます。
▼自己紹介シート
さて、アポ前お礼手紙を送って、【出会った瞬間にラポールがとれている状態】を作りまし
た。
それだけでも十分ですが、どうせならもっとラポールを上げてよりヒアリングをしやすい
状況を作りたい場合に活躍するのが「自己紹介シート」です。
※添付してる資料をいつも、僕は営業時にお客様に見せてから商談に臨みます。
これは何をしたいかというと「お客様の脳の空白を埋めにいく」という作業をしています。
初対面のお客様は自分に対して情報がほとんどありません。
なので、こちらから積極的に情報を開示し、まずお客様の頭の中に自分自身の情報をどんど
ん入れていきます。
さらに、その中で共通項(出身地が同じ、大学が同じなど)が見出されれば、相手の頭の中
で「あ、この人は自分と近い人だ」と無意識が感じ、ラポールがあがります。
アイスブレイクのネタにすることもできますし、一度作ってしまえばあとは毎回持ってい
くだけで手間もかからないのでおススメです。
======B:ヒアリング======
さて、ラポールを抜群にあげたところでいよいよヒアリングです。
ここでもひとつ重要なスキルセットがあります。
それは今回の講義でも出てきた「バーバルパッケージ」
・プリフレーム
・名詞限定質問、動詞限定質問
・パラフレーズ
要は「会話の枠を決め」「曖昧なものを具体的にしていき」「要約する」というだけです。
「テレアポ時にプリフレームを活用してヒアリングしてしまう」
みなさん、よくやってしまうテレアポがあります。
それは「アポを取った時点で満足してしまう」ということです。
ひたすらアポ TEL して、ようやくアポをとったにもかかわらず、それだけで満足してしま
い、その後は商談に臨んで出たとこ勝負で商談が失敗するというパターンです。
なぜ失敗するのか?
もちろんラポール自体がとれていなければ、それが最大の問題ですが
ラポールがとれているにもかかわらず、失敗する場合の典型例は「ヒアリングが上手くでき
ない」ことがあげられます。
慣れていないと「次は何を聞こう?」とテンパってしまい、気付いたら気まずい商談に。。。
そうなりたくないのであれば「アポの前に全部聞きたいこと聞く」をおススメします。
でも、いきなりまだ会ったこともない人にいきなり質問するのは気が引ける。。。
そんな人のためにとっておきのテクニックがあります。
▼テレアポプリフレームヒアリング
それが「プリフレーム」
アポがとれたらこう言えば良いんです。
「貴重なお時間をいただけるということでありがとうございます!当日○○様にとって有
意義で、実りある時間にしたいので、いくつか質問をよろしいでしょうか?」
このトークのポイントは「質問をすること」が「お客様の有意義な時間を作る」ことに直結
するという暗黙の了解が出来上がっていることです。
なので、お客様の頭の中で「有意義な時間にするためには質問に答えたほうが良い」となり、
質問に答えることに対して「YES」を言った時点で「有意義な時間にしましょう」という暗
黙の了解がとれるので、答えづらい質問が出てきても「さっき有意義な時間をつくりたい」
と了承したという事実が認知的不協和をつくり、答えざるをえなくなるという仕組みです。
僕はよく「テレアポ時にプリフレームでヒアリング」を済ませ、「アポ前手紙」を送りラポ
ールを上げ「自己紹介シート」でさらに言語情報でのラポールをとりにいき、同時に「ミラ
ーリング」と「バックトラッキング」で非言語情報での同調をとりにいってラポールを最大
限高めて、「君の言うことなら信用できそうだ。で、何をやろうか」という状態を作ってか
らプレゼンをすることが多いです。つまり「やる前提」で商品を選ぶという状態なので「ク
ロージング」がほぼない状態、いわばプレゼンを行う前に「クロージングが完了している」
状態になってます。
======C:プレゼン======
▼ダブルバインド提案
さて、ラポールもとれ、ヒアリングもできました。
さて次はプレゼンですが、ヒアリングまでがしっかりできていればそこまで問題ないので
すが、誰でもできるテクニックをひとつずつだけ紹介しておきます。
ここからは「購買意欲を下手に削がない配慮」が重要になってきます。
へたくそな営業はプレゼン時にこう聞きます。
「こちらの A という商品はいかがでしょうか?」
トップセールスマンは当たり前にこう聞きます。
「A と B ならどちらがよろしいでしょうか?」
前者は「YES or NO」で聞いているため、相手に「NO」の選択肢を選べる状態を作って
しまってます。
一方、後者は「YES」の前提で質問をしているため、相手に「NO」を故意に選ばせない配
慮をしています。
※相手のためになるという商品サービスが前提での話になりますが「自社の商品サービス」
を提供したほうが「相手のためになる」のであれば下手に「NO」を選ばせてしまう選択肢
を提示してしまうのは双方にとってマイナスでしかないので、この「YES の前提でどちら
かを選ぶ」という「ダブルバインド(二重拘束)」で提案するようにプレゼンを設計してみ
てください。
======D:クロージング======
▼as if フレーム
さて、ラポールもとれました。ヒアリングも聞けました。プレゼンも出来ました。
でも、最後に相手が「yes」を言ってくれない。
そんなときもあるかと思いますので、そうなった時の対策テクニックをひとつだけ。
よくある断り文句で「予算がないんだよねー」「工数が足りないんだよねー」などがありま
すが、そんなときは次の言葉を言ってください。
「もし、仮に予算(工数)が潤沢にあって、どれでも好きに発注できるとしたらどれがやり
たいですか?」
これは asif(アズイフ)フレームと呼ばれるもので、「もし仮に~なら」と仮定条件を現実
と置き換えて質問するというテクニックです。
人は購買する際に「感情」と「論理」のどちらで決定するかというと「感情が 100%」と言
われています。
つまり「感情」で「買いたい!」と思ってから「買える理由」を後付けで考える生き物なの
です。
(例)
めっちゃ欲しい服があったけど高い場合
「うわ!めっちゃ欲しい!あれ、、、でも高い。。。」
↓
「でも、この色欲しかったし、、、高いものは大事にするし、、、クレジットカードで分割すれ
ば月々の支払いも安いし、、、よし!買おう!」
逆に単に安いだけの場合、論理的には買えてもサイズや色などの趣味に合致していなかっ
たら買いませんよね?
というわけで、人は感情でまず「買いたい!」と思わない限りまず買いません。
なので、相手が論理的に買えない理由を盾に思考のシャットダウンをしている場合は「asif
フレーム」でまずは「論理的制約」を外した前提で「買いたいかどうか」を探ります。
その上でポイントはダブルバインド提案で「買えるとしたらどれをやりたいか?」と質問し
て、買える前提で質問することが大事です。
こうすることで、相手の頭の中では「この商品だったらこんなこともできるし、あっちの商
品だったらあんなこともできる!」と、商品に対して感情が高まったていくことになります。
感情が高まってきたところで再度「では発注するためにはどうすればよいでしょうか?」と
聞きます。
そうすると担当者は「他の予算を削って、、、」とかどうやったら発注できるかを一緒に考え
る姿勢を作ってくれることがでてきます。
また、実は「予算がない」と言っていたのは体のよい断り文句で、実はその奥に隠れている
ボトルネックの本音を話し出してくれたりします。
そうなればあとはそのネックを一緒に解決していけばよいだけです。
※何度も言いますが、クロージングでのこの「asif フレーム」はそんなに重要ではないです。
プレゼン時点で先方から発注意思をもらえていない時点でその商談の前半設計でミスが起
きてますので、できる限りクロージングをしなくても発注がもらえるレベルを目指してく
ださい。
●(3)アクションチェックプランを作る
さて、細かいテクニックをセールスフローごとにお伝えしましたがいかがでしたでしょう
か?
最後にお伝えするのは、上記テクニックを使うのであれば「アクションチェックプラン」を
作って振り返りを毎回しましょうというお話です。
どの場面でどのようなテクニックを実施するかを毎商談でチェックしてみてください。
そうすることで「商談の成否」と「アクション」の相関関係をチェックできるようになりま
すので、「何ができていなかったから失敗したのか?」「何ができていたから成功したのか?」
の要因分析ができるようになります。
これ、みなさんが今読んでいて感じているよりもかなり重要なのでもう一回言っておきま
す。
「自分のセールスにおける成功体験と失敗体験の要因分析ができる」
これ、当たり前なんですけどほとんどの営業マンができていません。
ほとんどのセールスマンが感覚でしか営業を行っていないため、要因分析ができず、再現性
がない場合がほとんどです。
ですので、このチェックを行うだけでも、短期間で成長できます。
今回ご紹介したテクニックでも、みなさんが知っている知識やテクニックでも正直なんで
もいいのですが「必ずチェックシート」で振り返る習慣をつけるということが重要です。
※ちなみに、一木はこれまでセールスマネージャー職として、これまで部下に添付資料のよ
うなチェックシートを配布し、商談ごとの振り返り時に活用させて報告させる習慣をつけ
ていました。
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